ダメな奴も生きられる世界。それが落語だ。
自分は落語が大好きなんですが、
なんで落語が好きなのか、
ちょっと書いてみようと思います。
落語がいいなあ、と思うのは、馬鹿に対してあたたかいところです。
落語にはいろいろな馬鹿な人が出てきます。
下駄と草履を片っぽずつ履いて、足が左右違う長さになった!って本気で言ったり、
掃除をする前に水をまけと言われて、
部屋の掃除をする前に部屋に水をまいてみたり。
ほんとに考えられないような馬鹿がたくさん出てくるんですが、
その人たちを排除するのではなく、一つの個性というか、
その中にもいいところを見出してみんな仲間にしちゃう。
江戸時代がそういう時代だったのかはわからないけど、
落語の世界のように生きられたら、救われる人はたくさんいると思います。
自分もだめだけど、落語の世界にはこんな人もいるんだから、
自分もどうにかなるんじゃないか。
大丈夫なんじゃないかっていういい意味でも悪い意味でも
現実逃避できる世界が落語にはあるんです。
どんな噺もだいたい笑い話になるし、
(中には救いようのない噺もありますが)
聴いていて安心させられるから、
落語が好きなんだと思うのです。